夜中の3時、天井を見つめる日々
鈴木さん(仮名・45歳)は、都内で働く中間管理職のサラリーマンです。
朝は満員電車に揺られて出社し、部下の指導、
上司からのプレッシャー、終わらない会議。
家に帰れば、中学生の娘は反抗期で口をきいてくれず、
妻とはすれ違いがちで、住宅ローンのことも頭から離れません。
「布団に入っても、頭の中で今日の失敗や明日の心配がぐるぐる回ってしまうんです」
田中さんはそう振り返ります。
ベッドに入るのは日付が変わる頃。
それなのに、なかなか寝つけない。
ようやく眠れたと思っても、夜中の3時に目が覚めて、
そのまま朝まで浅い眠りが続く。そんな毎日でした。
睡眠不足のせいで日中は頭がぼんやりし、
ちょっとしたことでイライラする。
家族にきつい言葉をかけてしまい、自己嫌悪。
仕事でもミスが増える。悪循環でした。
きっかけは、ふとした一言

そんな鈴木さんの様子を見かねた妻が、
ある日ぽつりと言いました。
「最近、寝る前までスマホ見てるよね。
それって体、休まってないんじゃない?」
正直、図星でした。
ベッドの中でも仕事のメールをチェックし、
SNSをだらだら眺め、気づけば頭が冴えてしまっていたのです。
その一言をきっかけに、
鈴木さんは「快眠ルーティン」というものを意識してみることにしました。
特別なことをする必要はない。
毎晩同じ流れを繰り返すだけ。
そう聞いて、「これなら自分にもできるかもしれない」と思えたそうです。
鈴木さんが始めた、小さな快眠ルーティン

鈴木さんが取り入れたのは、次のようなシンプルな習慣でした。
1. 就寝90分前にお風呂に入る
シャワーで済ませていたのを、湯船に浸かる習慣に変更。
体温がゆるやかに下がっていく過程で、
自然と眠気がやってくることに気づいたそうです。
2. 寝室にスマホを持ち込まない 充電はリビングで。
代わりに枕元には文庫本を一冊。数ページ読むうちに、
するりと眠りに落ちる日が増えました。
3. 寝る前の3分間、その日を振り返る
ノートに「今日よかったこと」を一つだけ書く。
仕事の反省ではなく、小さな「よかったこと」に目を向けることで、
頭の中のぐるぐるが少し静まったといいます。
4. 就寝と起床の時間を、休日もなるべく揃える
「土日に寝だめ」をやめてみたら、
逆に平日の寝つきが良くなったことに驚いたそうです。
変わったのは、眠りだけじゃなかった

ルーティンを始めて3週間ほど経った頃、鈴木さんはあることに気づきます。
「夜中に目が覚める回数が減って、朝の目覚めが違うんです。
それに、心にちょっと余裕ができた気がして」
余裕ができたことで、
娘のそっけない態度にも「思春期だから仕方ないか」と
受け流せるようになり、妻との会話も少しずつ増えていったそうです。
仕事でも、以前より冷静に判断できる場面が増えたと感じています。
「快眠ルーティン」と聞くと、
何か特別なことを始めなければいけない気がしていました。
でも鈴木さんの話を聞くと、大切なのは”完璧さ”ではなく、
“毎晩同じことを、無理なく続けること”
なのだとわかります。
おわりに ― あなたの夜にも、小さな習慣を

仕事のストレス、家庭の悩み。
40代という年代は、責任も背負うものも増えていく時期です。
だからこそ、眠りの質は日中の心の余裕に直結します。
鈴木さんのように、大きく生活を変える必要はありません。
・お風呂の時間を少し早める
・寝室にスマホを持ち込まない
・寝る前に一行だけ日記を書く。
※ この記事は取材にもとづく構成であり、登場人物は仮名です。
不眠の症状が長期間続く場合や、
日中の強い眠気・いびきの悪化などが見られる場合は、
背景に睡眠時無呼吸症候群などの疾患が隠れている可能性もあります。
自己判断せず、医療機関への相談をおすすめします。


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