レム睡眠とノンレム睡眠の違いとは?
約90分前後で繰り返される睡眠周期の仕組みと、
記憶・疲労回復・集中力への影響を解説。
40代サラリーマンが知っておきたい睡眠の変化や、
睡眠の質を整える7つの習慣も紹介します。
「7時間寝たはずなのに、朝から体がだるい……」
「夜中に何度も目が覚めるのは、眠りが浅いから?」
「睡眠は90分周期だから、6時間や7時間30分寝ると目覚めがよいって本当?」
仕事や家庭で忙しい40代になると、
若い頃とは睡眠の感じ方が変わってきたと感じる人もいるでしょう。
実は、私たちの睡眠は、眠り始めてから朝までずっと同じ深さではありません。
レム睡眠とノンレム睡眠という、性質の異なる睡眠状態を一晩に何度も繰り返しています。
この2つの睡眠は、脳の働きや記憶、体の回復、感情の調整などに関係しています。
そして、仕事のストレスや不規則な生活、睡眠不足などによって睡眠が妨げられると、
翌日の眠気や集中力にも影響することがあります。
この記事では、レム睡眠とノンレム睡眠の違い、約90分といわれる睡眠周期の仕組み、
40代の睡眠への影響、睡眠の質を整えるための生活習慣を分かりやすく解説します。
レム睡眠とノンレム睡眠とは?
人間の睡眠は、大きく分けて「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があります。
どちらも健康を維持するために必要な睡眠であり、
片方だけが重要というわけではありません。
レム睡眠とは?
レム睡眠の「REM」は、Rapid Eye Movement(急速眼球運動)の略です。
眠っている間に、まぶたの下で眼球が素早く動くことから、
この名前が付けられました。
レム睡眠では脳が比較的活発に働いており、
鮮明な夢を見やすいことが知られています。
一方で、体の骨格筋の多くは一時的に力が抜けた状態になります。
レム睡眠は、記憶や学習、感情の処理などに関係していると考えられています。
ただし、夢を見るのはレム睡眠だけではありません。
ノンレム睡眠中にも夢を見ることがあります。
ノンレム睡眠とは?
ノンレム睡眠は、急速眼球運動を伴わない睡眠です。
眠りの深さによって、次の3段階に分けられます。
- N1:眠りに入り始めた浅い睡眠
- N2:睡眠の中で比較的大きな割合を占める段階
- N3:深い睡眠(徐波睡眠)
特にN3は、外部の刺激で目覚めにくい深い睡眠です。
深いノンレム睡眠は、成長ホルモンの分泌や体の回復、
記憶の定着などに関係しています。
ただし、体の回復がノンレム睡眠だけで行われるわけではなく、
睡眠全体の働きが重要です。
レム睡眠とノンレム睡眠の違いを比較
2つの睡眠の特徴を表にまとめました。
| 比較項目 | レム睡眠 | ノンレム睡眠 |
|---|---|---|
| 脳の活動 | 比較的活発 | 段階によって異なる |
| 眼球の動き | 急速眼球運動が見られる | 原則として見られない |
| 筋肉の状態 | 骨格筋の多くが弛緩 | レム睡眠ほどの筋緊張低下はない |
| 夢 | 鮮明な夢が多い | 夢を見ることもある |
| 主な役割 | 記憶・感情の処理などに関係 | 体の回復・記憶の定着などに関係 |
| 一晩の変化 | 後半に長くなりやすい | 深い睡眠は前半に多い |
どちらが優れているということではありません。
レム睡眠とノンレム睡眠が適切に組み合わさることが、
健康的な睡眠にとって大切です。
睡眠は本当に90分周期で繰り返されるの?
「睡眠は90分周期」と聞いたことがある人も多いでしょう。
これは、レム睡眠とノンレム睡眠が、
おおむね90分前後の周期で繰り返されることに由来しています。
ただし、実際の睡眠周期は毎回90分ちょうどではありません。
個人差があり、同じ人でも一晩の中で周期の長さが変わります。
眠り始めから朝までの流れ
一般的な成人では、次のような流れが見られます。
入眠直後
まずノンレム睡眠に入ります。
浅い睡眠から徐々に深い睡眠へと移行します。
睡眠の前半
深いノンレム睡眠が比較的多く現れます。
睡眠の後半
深いノンレム睡眠は少なくなり、レム睡眠の時間が長くなる傾向があります。
朝に近づく頃
浅いノンレム睡眠やレム睡眠が増え、目覚めへと向かいます。
このような睡眠の変化を「睡眠構築(睡眠アーキテクチャ)」と呼びます。
90分の倍数で寝ればよいというのは本当?
例えば、次のような話を聞いたことはありませんか?
「90分×4回=6時間」
「90分×5回=7時間30分」
「この時間に合わせれば、すっきり起きられる」
しかし、睡眠周期は一定ではないため、
90分の倍数に合わせるだけで目覚めがよくなるとは限りません。
また、入眠までにかかる時間も人によって異なります。
大切なのは、90分単位にこだわることより、
自分に必要な睡眠時間を確保し、生活リズムを整えることです。
レム睡眠とノンレム睡眠は体にどんな影響を与える?
記憶や学習に関係する
睡眠は、日中に得た情報や経験を整理し、
記憶を定着させる過程に関係しています。
レム睡眠とノンレム睡眠は、
それぞれ異なる形で記憶や学習を支えていると考えられています。
仕事で新しい知識を覚えたり、
複雑な作業を身につけたりするときにも、十分な睡眠は重要です。
感情の調整に関係する
睡眠不足になると、イライラしやすくなったり、
ストレスを強く感じたりすることがあります。
レム睡眠を含む睡眠中の脳活動は、
感情に関わる記憶の処理にも関係すると考えられています。
ただし、レム睡眠だけが感情を整えるわけではありません。
睡眠全体を十分に確保することが大切です。
体の回復を支える
深いノンレム睡眠は、成長ホルモンの分泌などと関係しています。
また、睡眠は免疫機能や代謝など、さまざまな体の働きにも関わっています。
仕事で疲れた日ほど、十分な睡眠時間を確保することが重要です。
集中力や判断力に影響する
睡眠が不足したり、何度も中断されたりすると、
翌日の集中力や注意力が低下することがあります。
例えば、次のような変化です。
- 会議中に眠くなる
- 仕事のミスが増える
- 判断に時間がかかる
- 物事を覚えにくく感じる
- 運転中に眠気を感じる
特に車の運転や機械の操作をする仕事では、眠気を軽視してはいけません。
40代になると睡眠の質が変わるのはなぜ?
40代になると、睡眠の変化を感じる人が増えることがあります。
その背景には、加齢による睡眠構造の変化に加えて、仕事や生活環境の影響があります。
深い睡眠が減少する傾向がある
一般的に、年齢とともに深いノンレム睡眠の割合は減少する傾向があります。
ただし、変化の程度には個人差があります。
「40代だから必ず深い睡眠が不足する」というわけではありません。
仕事のストレスが増える
40代のサラリーマンは、管理職としての責任や人間関係、仕事量の増加など、さまざまなストレスを抱えることがあります。
就寝前まで仕事のことを考えていると、心身の緊張が続き、寝付きが悪くなる場合があります。
睡眠時間が短くなりやすい
残業や通勤、家事、育児などで就寝時刻が遅くなることもあるでしょう。
睡眠時間が短い状態が続くと、十分な睡眠を確保できず、日中の眠気や疲労感につながります。
夜中に目が覚める原因が増える
夜間の尿意、寝室の温度、騒音、飲酒、睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな要因が睡眠を中断させることがあります。
「年齢のせい」と決めつけず、原因を整理することが大切です。
夜中に目が覚めるのはレム睡眠のせい?
夜中に目が覚めると、「レム睡眠だから起きたのだろうか」と考える人もいるでしょう。
確かに、睡眠中には浅い睡眠や短い覚醒が生じることがあります。
しかし、夜間の覚醒はレム睡眠だけで説明できるものではありません。
例えば、次のような原因も考えられます。
- 寝室が暑すぎる、寒すぎる
- 周囲の音や光が気になる
- 就寝前にアルコールを飲んでいる
- ストレスや不安が強い
- 夜間にトイレへ行く
- いびきや睡眠時無呼吸症候群がある
一晩に短い覚醒が生じること自体は珍しくありません。
ただし、何度も目が覚めて眠れない、日中の眠気が強いなどの症状が続く場合は、医療機関に相談しましょう。
睡眠の質を整えるために実践したい7つの習慣
ここからは、40代のサラリーマンが今日から取り入れやすい生活習慣を紹介します。
習慣 毎朝できるだけ同じ時刻に起きる
睡眠リズムを整えるには、起床時刻を大きくずらさないことが大切です。
休日も平日と極端に異なる時間に起きることは避けましょう。
習慣 朝に自然光を浴びる
朝の光は、体内時計を整える手がかりになります。
起床後にカーテンを開けたり、屋外で過ごしたりする習慣を取り入れましょう。
習慣 日中に適度な運動をする
ウォーキングなどの運動を習慣にすることは、睡眠の改善に役立つ場合があります。
無理に激しい運動をする必要はありません。
習慣 夕方以降のカフェインに注意する
コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインは、覚醒作用があります。
影響が続く時間には個人差があるため、寝付きが悪い場合は午後遅い時間からの摂取を見直してみましょう。
習慣 寝酒を睡眠対策にしない
アルコールを飲むと眠くなることがあります。
しかし、飲酒は睡眠の後半を乱し、夜中に目が覚めやすくなることがあります。
眠るためにお酒を飲む習慣は避けましょう。
習慣 寝室の温度・光・音を整える
寝室が暑すぎたり、明るすぎたり、騒がしかったりすると、睡眠が妨げられることがあります。
自分が快適に眠れる温度や湿度を調整し、照明や騒音にも注意しましょう。
習慣 枕やマットレスを見直す
枕の高さが合わない、マットレスで腰や肩がつらいといった場合は、寝具の見直しが役立つことがあります。
ただし、寝具を交換すればレム睡眠や深いノンレム睡眠が必ず増えるというわけではありません。
体格や寝姿勢に合い、快適に眠れる寝具を選ぶことが大切です。
睡眠アプリやスマートウォッチで睡眠周期は分かる?
最近は、スマートウォッチや睡眠アプリで
「深い睡眠」「レム睡眠」などを表示できる製品があります。
こうした機器は、睡眠時間や生活リズムを振り返る手がかりとして便利です。
しかし、一般的な家庭用機器は、
脳波を直接測定する医療機関の睡眠検査とは異なります。
そのため、表示される睡眠段階は推定値であり、
正確な診断結果ではありません。
例えば、アプリに「深い睡眠が少ない」と表示されても、
それだけで病気と判断することはできません。
数字にこだわりすぎず、次の点を確認しましょう。
- 十分な睡眠時間を確保できているか
- 朝の目覚めはど
- 日中に強い眠気がないか
- 睡眠の悩みが続いていないか
睡眠アプリは、自分の生活習慣を振り返る補助的な道具として活用しましょう。
40代サラリーマンは何時間眠ればよい?
睡眠時間には個人差があります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、
成人について、個人差を踏まえつつ、
6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。
一方、国際的には成人の多くに7〜9時間程度の睡眠が推奨されています。
大切なのは、単に時間を満たすことだけではありません。
日中に強い眠気がなく、心身の調子を保てているかも重要です。
例えば、毎日6時間眠っていても、日中に眠気が強く、
仕事に支障が出ているなら、睡眠時間や睡眠の状態を見直す必要があります。
また、休日に長時間眠らないと疲れが取れない場合は、
平日の睡眠不足が蓄積している可能性もあります。
こんな症状が続くときは医療機関へ
睡眠の質を改善しようとしても、次のような症状が続く場合は医療機関に相談しましょう。
- 寝付きの悪さが続いている
- 夜中に何度も目が覚める
- 十分に寝ても強い眠気がある
- 大きないびきを指摘される
- 睡眠中に呼吸が止まっていると言われる
- 日中の仕事や運転に支障が出ている
特に、睡眠時無呼吸症候群などは、自分では気づきにくい場合があります。
「40代だから仕方がない」と考えず、必要な場合は専門家の力を借りましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1.レム睡眠は浅い睡眠ですか?
レム睡眠は、ノンレム睡眠の深い段階とは異なる睡眠状態です。
一般的に「浅い睡眠」と説明されることもありますが、脳の活動や筋肉の状態などに独特の特徴があるため、単純に浅い・深いだけで比較することはできません。
Q2.レム睡眠とノンレム睡眠はどちらが大切ですか?
どちらも大切です。
それぞれ異なる役割を持ち、睡眠全体として心身の健康を支えています。
Q3.90分周期で目覚ましを設定するとよいですか?
90分周期はあくまで目安であり、睡眠周期は一定ではありません。
90分の倍数にこだわるより、十分な睡眠時間と規則正しい生活を優先しましょう。
Q4.深い睡眠を増やす方法はありますか?
規則正しい生活、適度な運動、寝室環境の調整、
飲酒習慣の見直しなどが睡眠の改善に役立つ場合があります。
ただし、特定の方法で深い睡眠が必ず増えるとは限りません。
Q5.夢をよく見るのは睡眠の質が悪いからですか?
夢を覚えていることだけで、睡眠の質が悪いとは判断できません。
ただし、悪夢によって何度も目覚めたり、日中の生活に影響したりする場合は相談を検討しましょう。
まとめ|90分周期よりも睡眠全体の質を大切にしよう
レム睡眠とノンレム睡眠は、どちらも私たちの健康に欠かせない睡眠です。
今回のポイントを振り返りましょう。
- 睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠がある
- ノンレム睡眠には浅い段階と深い段階がある
- 睡眠周期は約90分前後といわれるが、毎回一定ではない
- 深いノンレム睡眠は前半に、レム睡眠は後半に多くなる傾向がある
- 睡眠は記憶、感情、体の回復、集中力などに関係する
- 40代は加齢や仕事のストレス、生活習慣などが睡眠に影響する
- 睡眠時間と睡眠環境を整えることが大切
睡眠の仕組みを知ると、夜中に目が覚める理由や、
朝の疲労感について考える手がかりが得られます。
ただし、睡眠周期を正確にコントロールしようとする必要はありません。
大切なのは、90分という数字に合わせることではなく、
自分に必要な睡眠を無理なく確保することです。
仕事で忙しい40代だからこそ、毎日の睡眠を後回しにせず、
少しずつ生活習慣を見直していきましょう。
快眠ラボでは、これからも働き盛りの40代が、
心地よい眠りを目指すための情報をお届けします。


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